サイホーンの航空記事考察

客観性はさておき主観で感じたことを書いてます

JALがシドニー東京50周年を祝賀

JALシドニー東京50周年を祝賀

2019年9月30日、JALの東京/シドニー路線が50周年を迎えたということで、成田空港でセレモニーが開催されたようです。

JALは現在、成田空港(NRT/RJAA)/シドニー(Kingsford Smith)空港(SYD/YSSY)間をB787-9で一日一往復運航している。

この他の日本とオーストラリアを結ぶ路線は、以下のとおり。

 

ANA/NH

  シドニー/羽田(毎日)B787-9

  パース/成田(毎日)B787-8

JAL/JL

  シドニー/成田(毎日)B787-9

  メルボルン/成田(毎日)B787-8

カンタス航空(QFA/QF)

  シドニー/羽田(毎日)B747-400

  シドニー/関西(週4便)A330-300

  ブリズベン/成田(毎日)A330-300

  メルボルン/成田(毎日)A330-300

ジェットスター航空JST/JQ)

  ゴールドコースト/成田(毎日)B787-8

  ケアンズ/成田(毎日)B787-8

  ケアンズ/関西(毎日)B787-8

 

JALは、カンタス航空ジェットスター航空と提携しているので、競合はないと思われます。

JALの国際旅客販売本部長である柏氏は、セレモニーにおいて「LCCとは棲分けができており、バランスが取れている」と現状分析を表明したとの報道でした。

しかし、こうしてすべての日豪路線を眺めてみると、棲分けができているというよりも路線が重複しないように運航している、という印象を受けます。

なぜなら、シドニーメルボルンがフルサービスキャリアの運航であるのに対し、ケアンズゴールドコーストLCCが運航しているからです。

例えば、東京からメルボルンLCCを使用して渡航したいと考えた人にとっては、乗り換えが必須となり、この場合ケアンズゴールドコーストでの乗換よりもシンガポールでのScootやタイガークアラルンプールでのAirAsia Xでの乗換を選択するのではないかと想定されます。

仮にJALがこうした需要も満足させる方針ならば、現在メルボルン/成田線を利用している顧客層にはカンタス航空を利用してもらい、B787を使用して展開するLCCであるZIP AIRに対し、現在の成田/シドニー線と成田/メルボルン線を移管していくことが求められます。

 

シドニー空港はもう満杯

シドニー空港(SYD/YSSY)は、2本の平行滑走路と1本の横風用滑走路、3つの旅客ターミナルを有していますが、既に処理容量は限界なようです。

はじめに増加が見込まれる需要に対応できないと考えられたのは、1989年のことだそうで、この時の対応として3本目の滑走路が建設されました。

その後2014年にはシドニー第二空港の必要性が叫ばれ、現在2018年から2025年までの拡張を計画しながら建設が進められています。

そこで私は、その建設中の空港をグーグルマップで検索しようとしましたが、画素がとても粗い田舎の土地でした。

 

シドニー/メルボルン路線は驚異の旅客数

空港を俯瞰してみると駐機場の数もそこまで多くないですし、滑走路のレイアウトを見てもさほど多くの航空機を処理しているようにもみえません。

既に周辺は建物が密集していますので拡張が難しいことは理解できますが、現状でなぜ満杯と言えるのでしょうか。

ここで、2017年データの旅客数で並べると、以下のとおりとなっています。

東京/新千歳路線が世界一の旅客数を誇った時代もありましたが、現在は世界3位に降格しています。

アジアの路線じゃありませんよ、世界の路線でのデータです。

  1. 済州/金浦(1300万人)
  2. シドニー/メルボルン(900万人)
  3. 札幌新千歳/東京羽田(870万人)
  4. 福岡/東京羽田(780万人)
  5. ムンバイ/デリー(710万人)
  6. 北京/上海虹橋(680万人)
  7. ハノイ/ホーチミン(670万人)
  8. 香港/台北桃園(670万人)
  9. ジャカルタ/スラバヤ(520万人)
  10. 東京羽田/那覇(520万人)

羽田路線はドル箱と言われているだけあって該当しないのですが、他の路線はLCCの台頭により大きく数を伸ばしていると確実に言えます。

シドニー/メルボルン路線に就航しているのは、

カンタス航空

カンタスリンク

ジェットスター航空

タイガーエアオーストラリア

バージンオーストラリア

の5社です。

このうち、カンタス航空カンタスリンクが、タイガーエアオーストラリアとバージンオーストラリアが、コードシェアしています。

 

シドニーのみならず、オーストラリアはまだまだ可能性を秘めていますね。