仁川空港の運用について調べました
仁川国際空港の滑走路配置
仁川国際空港(RKSI/ICN)は、金浦国際空港(RKSS/GMP)の機能が限界視されたことにより建設された空港です。
1992年用地造成着手、2001年開港、2008年コンコース供用開始、2018年第2ターミナル供用開始という歴史のようです。
計画的に建設された空港なだけあって、とてもシンプルで合理的な滑走路と誘導路の配置です。
将来的には、5本の滑走路が計画されていますが、現在は3本が運用されています。
ソウル中心市街地との位置関係
仁川空港やソウル市は、北朝鮮にとても近接しています。
そのため、北西向きに出発する場合は、離陸後5マイルほどで旋回を開始する必要があります。
その後、10マイルほど飛行した地点においては、完全に東向き又は南西向きの磁針路で飛行するよう決められています。
仁川空港の滑走路運用
使用できる滑走路は、昼間時間帯と深夜早朝時間帯で異なります。
昼間時間帯は、現地時間の9:00~21:00です。
風向きにより以下のとおり区分されますが、基本的には背風成分が8ktを越えるまではRWY33L, 33R, 34方向(下図右側)が優先して使用されます。
仮にこの背風条件に従えない場合は、到着出発予定時刻の20分前までに連絡してほしいとのこと。
〇LDG RWY 15L & 16, DEP RWY 15R and 16
〇LDG RWY 33R & 34, DEP RWY 33L and 34
深夜早朝時間帯は、現地時間の21:00~9:00です。
南東側には仁川市街地がありますので、この部分を避けるために北西側から着陸し北西側へ離陸するという考え方なのだと推測します。
しかし、最も海側に位置するRWY16/34ではなく市街地に近接しているRWY15L/33R又はRWY15R/33Lを使用することは、騒音軽減の観点からは不思議な気がします。
深夜は滑走路メンテナンスが必要でしょうから、RWY15L/33RとRWY15R/33Lを交互に使用しているのでしょう。
RWY16/34を使用しない理由は、4本目の滑走路を更に海側に建設工事中だからなのでしょうか。想像にすぎませんが。
日本とソウルの飛行経路
東京大阪名古屋方面から向かう航空機は、すべて島根県松江市付近、韓国浦項市付近を経由してソウル近郊まで向かいます。
反対に、東京大阪名古屋方面へ帰ってくる航空機は、ソウル近郊から韓国江陵市付近、島根県松江市付近を経由してその後日本各地へ向かいます。
この時、仁川空港離陸後は、東へ進みEGOBA方面へ飛行します。
福岡方面は、韓国釜山市付近、長崎県対馬市付近を経由したルートです。