サイホーンの航空記事考察

客観性はさておき主観で感じたことを書いてます

セントレアのT2がオープン

セントレア国際空港のT2がオープン

2019年9月20日中部国際空港(NGO/RJGG)の第2ターミナルとなるT2がオープンした。

セントレアは、2005年に旧名古屋空港から移転する形で整備された24時間運用の海上空港です。

今回のT2の運用開始は、開港以降最も大きな拡張であったと言えるでしょう。

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中部国際空港株式会社HPより引用

 

T2のコンセプト

T2のコンセプトについて、中部国際空港会社は以下の3点を挙げています。

  1. 利便性と機能性の追求
  2. 拡張性の確保
  3. 新たな賑わいの創出

 

利便性と機能性の追求について

利便性については、「高い交通利便性」「内際一体で乗換しやすいターミナルビル」「わかりやすい旅客導線」を掲げています。

高い交通利便性については、及第点ははるかに超えていると感じます。

なぜなら、立体駐車場から2分、バス・タクシー乗り場から1分、鉄道と接続するアクセスプラザから7分を実現しているからです。

また、従来のターミナルビルであるT1からも4分で接続できますので、十分な交通利便性が確保されています。

内際一体で乗換しやすいターミナルビルについても、十分な工夫が見られます。

なぜなら、具体的な導線は利用してみないとわかりませんが、チェックインカウンター、保安検査場、搭乗ゲートなどは需要に合わせて国内国際どちらにも変更できる効率的なターミナルとなっているからです。

また、T1との移動も4分で可能ですので、T1からT2への乗換もスムーズです。

わかりやすい旅客導線については、視覚的にわかりやすい導線にするとのコンセプトの下で整備されるようですが、実際には利用客でないとわかりませんね。

 

拡張性の確保について

T2オープン以前に搭乗橋により直接ターミナルビルと接続している駐機場の数は22であったところ、今回のT2オープンにより、新たに10スポット、14ゲートが整備されました。

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中部国際空港株式会社HPより引用

現時点で拡張用地として計画されている部分も、ホームページ上に公開されています。

地図上だけでの判断になりますが、今回整備した用地から想定すると2.5倍程度の機能は想定しているようです。

拡張用地をすべて再拡張したとして、T2用のスポットは25ということになりそうです。

さらに、拡張用地とはされていませんが、拡張用地の更に東側、AICHI SKY EXPOの南側にも土地としては残余が見られます。

この部分は、現時点で確保できている拡張用地と同等の面積がありそうですので、無理をすれば40スポット程度は確保できるのではないかと想像します。

 

新たな賑わいの創出について

どんな公共施設でも、オープン時にはこのような文言が使用されている気がします。

和のテイストを取り入れることや、幅広い品揃えと飲食店を整備することなどを掲げていますが、あまり具体的なことは述べられていません。

どちらにしても私は、こと空港に関しては結局は利用者数が伸びるかどうかが重要だと考えています。

 

セントレアは本気なのか?

LCCハブ空港として確固たる地位を築いているのが、言わずと知れたAir Asiaのクアラルンプール国際空港です。

開港当初は、2本の滑走路の間に現在でいうところの東側に整備されているターミナルビルと十字型のサテライトで、拡張計画として十字型のサテライトをもう一つ整備するという計画だったことがうかがえます。

しかしその後、LCCの台頭によるものでしょうか、2つ目の十字型サテライトは建設されず、代わりに南側にLCC用の第二ターミナルが建設されました。

なんと現在は、第二ターミナルは廃止されて当該用地は旅客ターミナルとしてではなく他の空港施設の用地として使用されています。

さらに、3本目の滑走路は西側に増設され、新規滑走路との間にLCC用のターミナルが建設されています。

なんとこのターミナル、69もの搭乗橋付きのスポットを有しています。

そのうち5スポットは、小型化用に使用すれば10機駐機可能ですので、最大74機が同時に搭乗橋に接続可能です!

ここから更に拡張用地を2倍以上有しているのですから、日本がいかに土地の制約を受けているかおわかりいただけますね。

ところで、セントレアT2の搭乗は、基本的には搭乗橋で接続するものではなくパッセンジャー・ボーディング・ルーフというものを経由して搭乗する方式ようです。

パッセンジャー・ボーディング・ルーフによる搭乗方式は、ターミナルビルの地上部分から屋根、壁付きの通路を経由して機側まで徒歩で移動した後でタラップ車を登って搭乗するものです。

これは、一部車椅子等使用する利用者を除けば、ほとんどの旅客にとって搭乗橋の利便性はほぼ維持されているため、成田空港第3ターミナルをはじめ、多くの世界の空港でも取り入れられている方式です。